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  • 2017/12/05
  • 遠藤正賢

車検時にスキャンツールで電動パワートレインや予防安全技術を点検するのが義務化される日は近い!? 国交省が検討会を発足

国交省、「第1回車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会」を開催

電動化・自動化技術の進化・普及が急速に進む中、そうした技術を搭載する自動車が正常に走行できるか、車検の際にスキャンツール(故障診断機)で点検するのが義務化される日が、ついにやって来る――。

国土交通省は12月4日、飯野ビルディング(東京都千代田区)で「第1回車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会」を開催した。

同省自動車局整備課の平井隆志課長は検討会冒頭の挨拶で、「近年ハイブリッドカー、FCV、EVなど電子装置を活用したクルマや自動運転技術が急速に普及している。政府としても事故減少のため、2020年までに新車搭載率を9割以上とすべく取り組んでいる。これらは電子制御装置によって制御されており、故障した場合は誤作動による重大事故につながる可能性があるため、いかなるときも確実に機能を発揮するには定期的な点検整備が必要となる」と、検討会開催の背景を説明。

「そのためには電子制御装置まで踏み込んだ検査手法を確立するのが効果的。近年の自動車には、センサー等の構成部品の異常を自己診断し記録する車載式故障診断装置(OBD)が搭載されているため、センサーや構成部品の断線などを車検の時点で読み取ることで、安全な自動車社会の実現に寄与できると考えている。我々はこの検討会の審議結果を踏まえ、車両安全対策を的確に推進していく」と、今後の展望を述べている。

検討会の座長に任命された東京大学生産技術研究所・次世代モビリティ研究センター長の須田義大教授は、「自動車技術は日進月歩。ユーザーを含め関係者の理解を得られる結果が出ることを期待している」と挨拶した。

今後、同検討会で議論される主な検討事項は、下記の通り。

・OBD検査の必要性について
・OBD検査にかかる保安基準のあり方
 1.判定に用いる故障診断装置(法定スキャンツール)の仕様
 2.法定スキャンツールによる合否判定の基準
 3.対象車両の範囲(車種、製作年、少数台数の取り扱いなど)
・法定スキャンツールの機能更新(アップデート)の枠組み
・OBD検査・整備のために必要な整備情報の提供ルール
・点検整備項目・点検整備記録簿の様式

なお、新技術を搭載した自動車の整備に対応するため汎用スキャンツール標準仕様の機能拡大などを議論している「自動車整備技術の高度化検討会」での検討事項を踏まえ、この「車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会」ではOBDを用いた継続検査(車検)について検討。

また、使用者責任を前提とした現在の道路運送車両法と車検制度、指定・認証工場制度を基本として、すでに市販車に搭載が進んでいるレベル1~2自動運転技術の点検整備について検討し、まだ実用化されておらず、かつ現行制度をそのまま適用できない可能性があるレベル4以上の自動運転については同検討会では議論しない方針を確認している。

その後、事務局を担当する国交省自動車局整備課からは、自動運転技術の普及が各機能とも急速に進んでおり、政府も高齢運転者による事故防止対策の一環として「安全運転サポート車(サポカー)」の普及を促進。自動ブレーキの新車乗用車搭載率を2020年までに9割とする目標を掲げていることが説明された。

車載式故障診断装置(OBD)に関する制度と運用の現状(出典:国土交通省)

そして、断線やセンサー異常などの不具合を検知した場合はECU(車載コンピューター)にその情報をDTC(故障コード)として自動的に記録、それをスキャンツールで読み取り可能とするOBDの概要と、自動車整備の現場における運用上の実情を解説している。

電子制御装置の不具合事例(出典:国土交通省)

さらに、ACC(アダプティブクルーズコントロール)がカメラの偏心およびカメラ周辺のヒーター断線により高速道路走行中に突然機能停止・急減速する、ブレーキフルード不足によってABSの効きが悪くなりタイヤがロック・衝突した、バッテリー劣化により旋回中にEPS(電動パワーステアリング)が効かなくなり縁石へ乗り上げた、などの不具合事例を紹介。

「これらの不具合は事前にOBDで検知し、それにより事故を防げたのではないか」と見解を述べ、車検にOBD検査を導入することの意義を強調した。

次回検討会は1月中旬~下旬に開催予定。その後数回の検討会を経て、3月下旬に報告書が取りまとめられる見込みとなっている。

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