みちびき(準天頂衛星システム)とは、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムのことで、英語ではQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)と表記する。
衛星測位システムとは、衛星からの電波によって位置情報を計算するシステムのことで、米国のGPSがよく知られており、みちびきを日本版GPSと呼ぶこともある。より正確に言えば、一般名詞としてはGNSSと呼ぶのが正しい。
GNSSとは、Global Navigation Satellite Systemのことで、アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、欧州のGalileo、中国のBeiDou(北斗)、日本のQZSS、インドのGagaなど、それぞれの国や地域が構築している測位衛星とそれらを補完する静止衛星システムの総称だ。
みちびき初号機は2010年に打ち上げられた。今日、3号機が無事に打ち上げられ,
今年度中に4号機の打ち上げも予定されている。2018年度から4機体制で運用される予定だ。2・4号機の2機が準天頂軌道衛星、3号機が静止軌道衛星となる。
2018年、みちびきが4機体制になると、このうち3機はアジア・オセアニア地域の各地点では常時見ることができる。みちびきはGPSと一体で利用でき、GPS衛星6機とみちびき3機を合わせて8機以上となるため、安定した高精度測位を行うことが可能になる。GPS互換であるみちびきは安価に受信機を調達することができるため、地理空間情報を高度に活用した位置情報ビジネスの発展が期待できる。
みちびき4機体制時でも、ビルや山の陰で見える衛星数が減ることから、都市部や山間部では測位が安定しないことがあるという。このため、2023年度を目処として7機体制とし、都市部や山間部を含めて正確な位置情報が得られることを目指している。
GPSでは最大約10メートルある誤差を、専用の受信機との併用で6センチ以内まで小さくできる。無人トラクターの耕作や小型無人機「ドローン」を使った荷物の配送など、この位置情報を利用した産業応用の実証実験も進められている。もちろん、将来の自動運転の実現にも大きな力になりそうだ。
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