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  • 2017/08/15
  • 遠藤正賢

【新型アウディA8のテクノロジー】レベル3自動運転

レーザースキャナーを含む統合制御システムを採用し「アウディAIトラフィックジャムパイロット」など3つの新機能を実装

新型アウディA8に装着される「アウディAI」用センサーの検知範囲
7月11日にスペイン・バルセロナで開催された「アウディサミット」で世界初公開された、4代目アウディA8。この新たなるフラッグシップサルーンに採用された最先端のテクノロジーを、分野別に紹介する。

総計24個のセンサーをzFASによって統合制御

新型アウディA8には、車両から求められた時のみドライバーが自ら操作する「レベル3自動運転」を含む、最先端の運転支援システム「アウディAI」を実装するため、下記のセンサーが装着される(一部オプション含む)。

12個の超音波センサー:フロント、サイド、リヤ
4個の360°カメラ:フロント、リヤ、ドアミラー
1個のフロントカメラ:フロントウィンドウ上端
4個のミッドレンジレーダー:車両四隅
1個のロングレンジレーダー:フロント
1個のレーザースキャナー:フロント
1個の赤外線カメラ(ナイトビジョンアシスト用):フロント

zFASを中心とした統合制御システムのユニット構成

これまでは複数のコントロールユニットを装着し、それぞれが個別の機能を果たしていたが、新型A8ではアウディとして初めて、セントラルドライバーアシスタンスコントローラー(zFAS)を採用した。

このタブレット型コンピューターと同等サイズのzFASは、NVIDIA Tegra K1、ALTERA Cyclon V、Infineon Aurix、Mobileyeの画像処理プロセッサーEyeQ3といった車載コンピューターを統合制御。相互補完的なセンサーシステムと、zFASおよびレーダー制御ユニットの冗長データを融合し、包括的な周辺画像を生成することで、より広範囲な運転支援を可能にしている。


レーザースキャナーとディープラーニング法を世界初採用

レーザースキャナーの内部構造

さらに新型A8は、世界初となるレーザースキャナーをフロントパンパーに搭載している。このレーザースキャナーは複数の光パルスを発射し、ミラーで照射角145°、照射範囲約80mの扇状に拡大。車両前方の物体によって光パルスが反射され、数ミリ秒以内にレーザースキャナーへ戻ることで、フォトダイオードが物体を検出する。そして、パルスの発射から復帰に要する時間に基づいて、詳細かつ複雑な周辺情報イメージを形成する仕組みとなっている。

この大きな照射角を持ち、非金属を含むあらゆる種類の物体を精密に感知できるレーザースキャナーと、照射範囲は最大250mとレーザーより長く、高さもあり、雨や霧などの悪天候下でも安定して物体を検知できるロングレンジレーダー、視界が確保されている際に車両周辺および中距離域の高解像度画像を車両にもたらすフロントカメラが相互補完的に作動。画像データベースと照合して、自動車、トラック、自転車、歩行者など、個別の物体が何であるかを、あらゆる走行環境において広範囲かつ精密に特定することを可能にした。

なお、画像処理システムには、どの特徴を捉え、様々な物体を識別するのに適切であるかを決定する際に、自己学習アプローチの一部としてニューラルネットワークを使用するディープラーニング法(深層学習法)が初めて採用されている。


レベル3自動運転を可能にする「アウディAIトラフィックジャムパイロット」

「アウディAIトラフィックジャムパイロット」のシステム構成

これらのシステムが搭載されたことで、新型A8には3つの機能が市販車で初めて実装された。

「アウディAIトラフィックジャムパイロット」は、中央分離帯のある比較的混雑した高速道路を60km/h以下で走行中に、センターコンソールにあるAIボタンを押すと、発進、加速、ステアリング、ブレーキの各操作を自動で行う。直前に他のクルマが割り込んできても問題なく対応でき、ステアリングホイールから手を放したままでも自動運転は継続され、その国の法律で許されていれば車載テレビを視聴するなど運転以外の行為をすることも可能となっている。

その間、1920×720ピクセルの12.3インチTFTへと進化したディスプレイメーター「アウディバーチャルコクピット」には、クルマの動きや周囲の状況を表したシンボリックな画像が表示されるとともに、運転席に設置された小さなカメラでドライバーの様子を確認。疲労や居眠りを検知した場合は段階を踏んで警告を発し、走行速度が60km/hを超えるか、渋滞が解消して自由な走行が可能になった場合、またシステムが機能の限界に達した場合にも、運転の再開をドライバーに促す。ドライバーがその通告を無視した場合には、さらに何度か警告を発した上で、最終的にはブレーキをかけてクルマを停止させる。

「アウディAIリモートパーキングパイロット」および「アウディAIリモートガレージパイロット」では、ドライバーは新開発の「myAudi」アプリをインストールしたスマートフォンを使い、その中に表示される「Audi AI」ボタンを押し続けることで、「myAudi」のアプリに360°カメラ映像が映し出されるとともに、車外からクルマを自律的に操作。駐車スペースまたはガレージへ自動で入出庫させることができる。

そして、入庫操作完了時には、ATが自動的にPポジションに入り、エンジンとイグニッションがオフになる。なお、ドライバーが車内に乗ったままでも、センターコンソールのAIボタンを押し続けることで、パーキングパイロットの機能を作動させることが可能だ。

両システム作動時に新型A8は、レーザースキャナーなどで壁やバイクなどを検知し、障害物との距離を詰めながらアクセル・ブレーキ・ステアリングを自動で操作。充分なスペースがないと判断した場合は、駐車または車庫入れ操作を自動的に中断する。

なお、この「アウディAIトラフィックジャムパイロット」、「アウディAIリモートパーキングパイロット」、「アウディAIリモートガレージパイロット」の導入にあたってアウディは、各国における法的枠組みを明らかにし、各市場におけるシステムの適用とテストを実施。承認手続きの範囲とそのタイムスケールを世界中で遵守しながら、2018年以降段階的に実装していく方針を示している。

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