自動車機械工具四大商社のひとつであるバンザイ(柳田昌宏社長、本社:東京都港区)は、門型洗車機ラインアップのひとつとして、ダイフクプラスモア(井狩彰社長、本社:東京都港区)の製品を取り扱っている。その両社が今回のオートサービスショー2017で提案していたのは、「洗車機のIOT構想」だ。その概要は下記の通り。
ダイフクプラスモアCA推進部の三沢直久係長によれば、レベル1は「すでにフィールドテストを実施中です」とのこと。レベル2も、課題はハッキングによる遠隔操作乗っ取りを確実に防ぐセキュリティの確立くらいだろう。
また、レベル2までは、当事者がバンザイ&ダイフクプラスモアと納入先に限られ、サービス内容も洗車機のメンテナンスに留まるため、実現は決して難しくないはずだ。
だがレベル3は、当事者に自動車ユーザーとそのクルマが加わり、さらに自動運転の車車間・路車間通信プロトコルとも連携させる必要があるため、技術・認可の双方において実現のハードルは高い。また、門型洗車機にクルマをセットする際は本体やセンサー、レールなどに当たらないようクルマを動かす必要があるため、自動運転そのものに対しても一般道対応以上の精度が要求される。
「現時点では構想の詳細を詰めている段階」(三沢係長)というが、これが実現されれば、ちょっとの汚れや洗車傷も気になる自動車ユーザーでも、キレイにしたい時に自動運転でいつでも自由に、かつ極力傷がつきにくい方法で、場合によってはコーティングの施工やメンテナンスもしながら、門型洗車機を利用して洗車できるようになる。
また、自動車ユーザーにとっての「洗車」の概念が大きく変わり、オープンカーやトラックを除き、手作業での洗車やコーティングが過去のものとなる可能性も秘めている。
風やホコリが入らない屋内にクルマを保管でき、かつ自宅でいつでも自由に洗車できる環境を持つ自動車ユーザーは少ない。自動運転と門型洗車機で誰もが気兼ねなく、クルマを常にキレイな状態に保てるという、現時点では夢物語のようなサービスが、果たして2025年に実現されるだろうか?
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