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  • 2019/08/12
  • AnimeandManga illustrated編集部 鈴木慎一

マツダ Mazda3のスカイアクティブXエンジン搭載モデルが高価格な理由を考えてみる。発売は12月に延期

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 問題は価格である。
マツダ3HBモデルの国内の価格は、
SKYACTIV-G2.0の20S PROACTIVE(2WD 6AT)●247万円
SKYACTIV-D1.8のXD PROACTIVE(2WD 6AT)●274万円
そして
SKYACTIV-XのX PROACTIVE(2WD 6AT)●314万円
である。
G2.0とD1.8の価格差は27万円
G2.0とXの価格差は67万円
D1.8とXの価格差は40万円
である。

 世界初の革新的燃焼技術のエンジンだからと言っても、燃費性能ではD1.8に敵わない。「走りの気持ち良さ」と「世界初のエンジンに最初に乗る歓び」にプラス40万円なり67万円を支払うのは、いわゆる「アーリーアダプター(=新しいもの好き)」である。アーリーアダプターは、技術的な裏付けも充分に理解したうえで、新しいエンジンを買ってくれる重要な顧客層だ。マツダ・ファンのなかにも多くのアーリーアダプターがいるだろう。筆者も、その類に分類されると思う。私もマツダ3を買うなら、SKYACTIV-Xエンジン搭載車を選ぶ。それでもSKYACTIV-Xは高いと思う。

 その価格について、エンジンの専門家、開発者の数名から意見をいただいた。意見というよりは推論である。複数の人の意見をまとめると、こうなる。念の為、もう一度書くが、あくまでも推論である。

「やはり発売当初は、たくさん売りたくないとしか考えられません」という。

「マツダは、SKYACTIV-Dのディーゼルエンジンでたくさんすす関連の不具合を出しているので、SKYACTIV-Xでは当面たくさん売らずに様子見しようということでしょうか」

「考えてみるとSKYACTIV-Xには新構成部品がたくさんあります。Gの場合は圧縮比(容積比)14.0は革新的でも構成要素はすべて実績のある部品でした。SKYACTIV-Xは、70MPaの燃料噴射系(⇒各部摩耗、耐久性)、ルーツブロワー(機械式スーパーチャージャー)上流へのEGR導入(ブロワーの汚れと腐食による不具合)、圧縮比16.3のプレイグニッションとノックキング制御(⇒ばらつきと制御の隙間による突然の異常燃焼・破損)、気筒毎の燃焼圧センサー(センサーの耐久性と誤差による制御ミス)、マツダ初のGPF(再生時期と制御ミスによる破損)など新しい部品が数多くあります」

「複雑なSPCCIの制御を考えると気が遠くなりそうです。燃料噴射回数・時期と量、点火時期、残留ガス制御(吸排気の可変バルブタイミング)、過給圧制御、吸気温度(ICバイパス)、スワールコントロール、GPFの再生制御……それに加えてさまざまな運転条件(暖機、過渡、定常)、運転環境(気温、気圧/高度、湿度、ガソリンの品質)、走行条件(車速、積載量、登板降坂、MT時のエンジン回転数)……NOxを押さえ込むのもピンポイント制御など、本当に気が遠くなるほど大変だと思います」

 という。「私が設計者だったら、心配で夜も眠れないでしょうね」という関係者(もちろんマツダの関係者ではない)もいた。
 革新的な商品を世に出すには通らねばならない道。SKYACTIV-Xほどの新技術の塊ならなおさらだ。高価格を受け入れてSKYACTIV-Xエンジンの最初期の需要を支えてくれるアーリーアダプターには、それだけの称賛を贈りたいし、おそらくそれに見合うドライビング・プレジャーがあるはずだ。

 発売時期が12月中旬に延期されたが、その間、マツダの技術陣はおそらくさらにSKYACTIV-Xを磨き上げることだろう。本当に期待して待とう。

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