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  • 2018/03/18
  • 遠藤正賢

3月7日発表「自動車補修用『オール水性 有機則フリーシステム』」を用いた塗装を実演!【IAAE2018・関西ペイント販売】

プラサフ・ベースコート・クリヤーとも「100%水性化」し硬化剤・希釈水・ガンクリーナーも有機則非該当に

自動車補修用「オール水性 有機則フリーシステム」を用いた塗装実演
ディーラーやカー用品店、整備工場、鈑金塗装工場、ディテーリングショップなどが取り扱う部品・ツール・サービス類の展示会「第16回国際オートアフターマーケットEXPO2018」が3月14日より16日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された。その中から、大手部品・材料メーカーのアフターマーケットにおける取り組みや、一般ユーザーがクルマのメンテナンスを受ける際に役立つアイテムをピックアップする。
水性ベースコート「レタンWBエコEV」(左)、スチレンフリーパテ「ECOパテ2」(右)

大手塗料メーカーの関西ペイントおよび同社営業子会社の関西ペイント販売は自動車アフターマーケット向けに、事故車の修理を行う鈑金塗装工場向け自動車補修用塗料の開発・販売を長年手掛けている。

コンピューター調色システム「AIカラーシステム」

近年は水性ベースコートの最新モデル「レタンWBエコEV」や、コンピューター調色システム「AIカラーシステム」、労働安全衛生法の特定化学物質障害予防規則(特化則)に対応したスチレンフリーパテ「ECOパテ2」などの販売に注力し、同社の当初目標を上回るペースで導入工場が増え続けている。

「レタンWBエコEV」導入ユーザーマップ

こうした動きの背景には、年々厳しさを増す関連法令と、自動車アフターマーケットの中でも特に深刻な人材不足にある。

塗装に関する主な法令の施行状況。近年は厚生労働省による従業員を対象とした規制強化が急増している

法令については消防法が1948年、有機溶剤中毒予防規則(有機則)と前述の特化則が1972年より存在しているが、特化則では2013年1月にエチルベンゼンやコバルト、2014年11月にスチレンやメチルイソブチルケトンが特定化学物質に指定されるなど、規制対象の物質は過去5年間で急増した。

これらの含有率が規制量を超えた製品を取り扱う事業場には、30年間の作業記録・保存、特殊健康診断の実施、保護具の人数分常備・使用、発散抑制装置の導入など、従業員や近隣環境保護のための対策が数多く義務づけられている。

自動車補修塗装を取り巻く法規制

さらに、2016年には労働安全衛生法において化学物質リスクアセスメントが義務化され、こちらも対象となる化学物質が毎年追加される傾向にあるため、企業のコンプライアンス(法令遵守)や環境問題に対する世間の目が厳しい昨今では対応が急務となったといえよう。

そして、少子高齢化に伴う人材不足は、今や日本全体の問題となっているが、典型的な3Kの作業環境であることが多く、しかも2012年以降の自動車保険等級制度改定や予防安全技術の普及に伴い事故件数=入庫台数の減少傾向が続いている鈑金塗装工場では極めて深刻で、大手ディーラーの工場でさえも募集人員の確保に苦慮している。

そのため、人材をより早く多く獲得・確保・育成するためにも、職場環境改善によるES(従業員満足度)向上が不可欠となりつつあるのだ。

関西ペイント販売における自動車補修用水性塗料出荷量の推移

このような状況から、関西ペイント以外の塗料メーカーも水性ベースコートやコンピューター調色システムの開発・進化・販売を積極的に促進しており、これらを導入する鈑金塗装工場も急増している。

とはいえ、関西ペイント販売が言う「2017年9月現在、出荷ベースで当社溶剤塗料の13%が水性塗料に切り替わっている。今年度末には15%を超える可能性が高い」という数字は比較的高い部類で、日本国内全体の鈑金塗装工場における水性塗料の普及率は今なお低い。

自動車補修用水性塗料の現状と今後の構成

そのため、水性ベースコートを導入した鈑金塗装工場は声高に「100%水性化」を謳うことが多いのだが、実際に水性化されているのはあくまでベースコートだけ。下地用塗料のプライマーサフェーサー(プラサフ)や透明トップコートのクリヤーは多くの塗料メーカーが水性のものをラインアップしておらず、大半の工場で厳密には「100%水性化」されていないのが実情だ。

自動車補修用「オール水性 有機則フリーシステム」の製品構成

こうした状況を打破し、さらに有機則にも塗料のみで対応するため両社は、労働安全衛生法と有機則に非該当となる自動車補修用「オール水性 有機則フリーシステム」を開発したことを、3月7日に発表した。

プラサフ・ベースコート・クリヤーとも主剤を水性化するのみならず、硬化剤や希釈水、ガンクリーナー(スプレーガンの洗浄液)も有機則フリー(非該当)化したこのシステムは、市場モニター実施を経て今年夏頃より本格的に販売開始される見込みとなっている。

「オール水性 有機則フリーシステム」導入のメリット

今回のIAAEでは、会場内に設置された塗装ブース内で、「オール水性 有機則フリーシステム」を用いた塗装を実演。ドアパネルへの水性プラサフ塗装と、「AIカラーシステム」と水性ベースコート「レタンWBエコEV」を用いたトヨタ1F7シルバーメタリックの調色およびフロントフェンダーのボカシ塗装、水性クリヤー塗装を行い、ゴミ取りを含めた作業の容易さと仕上がり品質の高さをアピール。

なお、水性プラサフ塗装前の脱脂にも水性のクリーナーを使用しており、同社の水性化・有機則フリー化にかける徹底した姿勢を伺わせていた。

関西ペイント販売では「人・環境・会社にやさしい」ことを「オール水性 有機則フリーシステム」導入のメリットとして掲げていたが、一般ユーザーがそのメリットを直接享受できるのは、損傷個所を修理し納車してもらった直後だろう。

溶剤系塗料に多く含まれるVOC(揮発性有機化合物)の使用量、ひいては車内への残存量が激減するため、シンナー臭などの悪臭がほぼ感じられなくなる。

においに敏感な女性や、化学物質への抵抗力がまだ低い乳幼児がいる家庭は特に、どのような塗料を使っているかで入庫先の鈑金塗装工場を選ぶべきであり、また選べるようになるべきである。「オール水性 有機則フリーシステム」は、今後その選択肢が広がることを期待させるものだった。

【「オール水性 有機則フリーシステム」作業実演の流れ】

水性のクリーナーで脱脂
ドアパネルに水性プラサフを塗装

ドライヤーで水性プラサフを乾燥
フェンダーをカラーセンサーで測色

スケールの表示に従い各原色を注入
水性ベースコートで先端をボカシ塗装

ドライヤーで水性ベースコートを乾燥
フェンダー全体に水性クリヤーを塗装

作業完了。手前がベースコート、奥がクリヤー塗装後のもの

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