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  • 2018/03/04
  • AnimeandManga編集部

シェアハウス、カーシェアに続くか? 「スクーターをシェア」、その魅力と現状

石垣島で始まったGogoroの電動スクーターシェアサービス

石垣市役所の駐車場に設置されたバッテリーステーション。今後は太陽光発電パネルを組み合わせ、いっそう環境負荷を低減させる計画もあるとか。
沖縄県の石垣島で2月5日からスタートした、e-SHERE石垣による電動スクーターのシェアリングサービス。車両やバッテリーステーションなどの設備は、台湾のエネルギー関連スタートアップ企業Gogoro(ゴゴロ)社のものを使用している。それでは、実際の使い勝手はどんなものだろうか?(PHOTO&REPORT:古庄速人)
2シリーズは丸みを帯びたボディが特徴。
いずれのシリーズも海外では個人への販売もされている。

デジタルガジェットのようなメーターパネル。海外ではスマホアプリで表示色やウィンカー音をカスタマイズすることも可能。
バッテリーは収納スペース前方に横並びさせて空間を確保。このためシート幅がやや大きくなっている。

シェアリングサービスの使い方

シェアリングとは、モノや設備を共有(シェア)することを指す。レンタルとの違いがハッキリしているわけではないが、レンタルがどちらかと言えば「誰かから借りる」感覚なのに対し、シェアリングは「複数人でモノや権利などを共有し、自分が使いたいときに使う」というものに近い。今回の場合、e-SHERE石垣にメンバー登録しておけば、電動スクーターを自由に使うことができるということになる。

ただし現状ではそのためのスマホアプリが開発中のため、車両をシェアリングすることは事実上できない。通常のレンタカーやレンタルバイクと同様に、カウンターで貸し出し手続きをおこなう必要がある。このため対象ユーザーを海外から訪れた観光客に絞り、暫定的にサービスをスタートさせている状態だ。もちろん日本人も借りることは可能だが、シェアリングの魅力を体感することはできないだろう。

それでも、島内の4ヶ所に設置されたバッテリーステーションでは、バッテリーを自由に交換することができる。バッテリーに関してはすでにシェアリング環境が整っているといえる。なおアプリのリリースとサービス開始は5月を予定し、これと同時に島民などへのシェアリングを開始するとのことなので、後日あらためてリポートしたい。今回は車両やバッテリー交換ステーションなどのハードウェアについて紹介することにしよう。

世界を走る電動スクーター

Gogoroでは、自社展開する交換式バッテリーを動力とする電動スクーターを2車種ラインナップしている。車名は発売された順に「1シリーズ」「2シリーズ」と名づけられ、石垣島を走るのは最新モデルの2シリーズ。もともと日本では原付二種に相当するスペックを持つが、日本展開にあたって原付一種に収まるよう出力を抑えた仕様を開発。海外と日本ではポピュラーなクラスが異なっていることに対応し、石垣島では両方のモデルを展開している。

2シリーズの寸法は全長 1880mm、全幅670mm、全高1090mm。ホイールベースは1306mm、シート高770mmと平均的な車格を持つ。意外なのは104kgという車体重量で、バッテリーを2本搭載しても122kg。これは通常の125ccモデルとほぼ同程度で、「電動モデルは重い」という思い込みを鮮やかに裏切る数値だ。

パフォーマンスも申し分ない。モーター出力は6.4kWで205Nmのトルクを発生し、最高時速は90km/hに達する。航続距離は40km/hの定速走行で最大110kmとのことだから、バッテリー交換をしなくても都市部での日常使いでは問題になることはなさそうだ。バッテリーはシート下に立てて収納するが、それでも25リットルの収納スペースを確保。なお現在e-SHERE石垣では、ここにヘルメットとグローブを入れ、セットで貸し出している。免許証さえ持っていれば、手ぶらでも利用することが可能なわけだ。

ほんの数分だが、試乗することができた

それでは、実際に乗ってみた印象を……といきたいところだが、残念なことに試乗会当日は朝から大雨。安全確保のためにプログラムがキャンセルされてしまった。なにしろ屋外でのフォトセッションもすべて中止されるほどの強い雨だったから、これは致し方ないところ。

それでも、バッテリー交換ステーションでの取材中に小降りとなった隙に、原付2種モデルを借りて公道を走らせることができた。ほんの数分ではあったが、モーター始動と同時に最大トルクが立ち上がる電動ならではの、鋭いスタートダッシュは存分に味わうことができた。0-50km/h加速は4.3秒とのことだが、なにしろ出足が鋭い。走り出しの際のアクセルワークは、通常のエンジンスクーターよりも慎重にする必要がある。

乗り心地や運転感覚については、まだ納車されたばかりの未走行車だったということで、正直に言って語れるほどの情報は得られなかった。サスペンションも突っ張り感が強く、ギャップでは跳ね回る印象。「馴らし」を終えた車両を味わってみたいものだ。ちなみに車両の整備や修理は、島内にある複数の2輪サービス工場に委託する予定とのこと。

乗車姿勢は一般的な125ccスクーターとほぼ同じだが、シート幅が広いため、小柄な人は乗車しながらの取り回しに苦労するかもしれない。これは収納スペースを確保しつつバッテリーを搭載するために、2本を横に並べるレイアウトを採用した結果。この問題を解決するため、ハンドル左グリップの根元には後退モードのボタンが装着されている。これはいわばリバースギヤで、乗ったまま無理して向きを変えるのではなく、いったん降りてモーターの助けを得ながら取り回すことを促すものだ。

そのバッテリーだが、1本あたりの重量は9kg。頂部にはハンドグリップがあるため持ち上げることは容易だが、交換ステーションの高い位置に差し込むときは両手で担ぎ上げることになり、率直に言えば「ラクラク交換できる」とは少々言いづらい。今後ユーザーの年齢層が幅広いものになれば、ステーションのデザインにも工夫が必要になるのではないかと思った。なにしろバッテリーはスクーターだけのものではなく、さまざまなパーソナルモビリティへの供給や、災害時の緊急用電源としての使い方も想定しているからだ。

ともあれ、e-SHERE石垣では100台の車両を用意し、5月以降の本格的なサービス開始に向けて準備を進めている。「エコロジカルな乗り物で自由に走り回り、大自然を全身で味わう」という体験は、バスで観光地を巡るツアーでは味わえない価値がある。しかし、なにしろ日本初の取り組みとなるためe-SHERE石垣にとって、また石垣市にとっても未知のことばかり。これから少しずつノウハウを積み上げてゆくことになる。今後の推移をあたたかく見守っていきたい。

原付一種、二種のどちらも車両外観は同じで、ナンバープレートのみが異なる。
原付二種はピンクのナンバープレート。石垣市のご当地デザインがあしらわれている。

車両のカラーは明るいブルーで統一。南国らしいイメージだ。
バッテリーステーションについたら、車体からバッテリーを外し、充電済みのバッテリーと交換する。
ステーションの空いているスロットに残量の少なくなったバッテリーを差し込むと、自動的に充電済み、あるいはもっとも充電の進んだバッテリーが自動的に突き出される。このためバッテリー交換の手順で戸惑うことはない。

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