AnimeandManga[モーターファン]

ニューモデル、テクノロジーからインプレッションまで、クルマと人生を楽しむニュースサイト

  • 2017/07/24
  • HYPER REV編集部

辰己英治が振り返るニュルブルクリンクチャレンジ10年の歴史

スバルSTIチームがニュルブルクリンク24時間レースに参戦する意味とは?

ニュルブルクリンク24時間レースに継続参戦しているスバル/STIチーム。その10年目となるスバル・ニュルブルクリンク参戦プロジェクトの立ち上げ当初から携わっている辰己英治が、その歴史と意義を振り返った。

(photo:SUBARU)

2008年にスタートした富士重工業のNBRプロジェクト。同時に、その年はリーマンショックの起きた年だった。スバルも大打撃を受け、08年を最後にWRCからも撤退している。当然、ニュル参戦も立ち消えになるはずだった。

「STIは、これからパーツを売っていこう、コンプリートカーを売っていこうという会社です。それが、モータースポーツをやっていないということは、技術の裏付けも実績もないのと同然です。”これはいいものなんです“ と言ったって説得力がない」と辰己英治は考えた。

「当時はまだもやっていましたから、なかなか周囲を説得するのは大変でした。時には上司相手に大げんかもしましたよ。当時STIの相談役だった桂田勝さん(故人)が、もう一度考えようと働きかけてくれたので、話がつながったんです」と当時を振り返る。

(photo:SUBARU)

参戦マシンについては、とことん量産技術にこだわってきた。

「考え方としては、我々は量産車の技術で戦うんだと。これがNBRプロジェクトのコンセプトでした。それをコア技術としてレースを組み立てていくということです。我々はモータースポーツについては素人ですから、特別なことはできません。量産車のなかでできる範囲でやらなきゃいけない。その中であれば戦える可能性がある。そこなら負けないという自信があります」

量産をベースにしているからこその利点もある。

「今年のレースはリタイアしてしまいましたが、それまではパーツが壊れてリタイアしたことはありません。それには確固たる要因がある。量産の技術って、スバルの代々の技術者が散々テストをして、何十年もかけて作り上げられたものです。それこそ百瀬(普六)さんの時代から培われてきた技術の集大成なんです。その歴史が詰まっているもので壊れない。実際、アクシデント以外で壊れたことはないんです。今年を除き、結果的にはリタイアも一度もしていない」

しかし、今年はマシンから出火してのリタイアとなってしまった。

「今回は事故もありましたし、開発に際して少し無理をしてしまった部分があったのかもしれません。ペースはアウディよりも速かったですし、1分差くらいまで追い詰めていた。そこでぶつけられてしまったのです。今回のリタイアからは色々と学ぶべきことが多いと思います。クルマというのは"全体"でバランスがとれた乗り物ですから、少し無理をして数値ばかりを追い求めると、そのゆがみがどこかに出てきてしまう。それほどまで、SP3Tクラスの戦いが激化していることの表れとも言えますが」

周回遅れのヒュンダイがまさかオーバーテイクした後に突っ込んでくるとは思わない。一方で、前を走るAUDI TTRSに早く追いつきたいがために、ストレートではなくてコーナーリング時に無理をしてでもオーバーテイクをトライしてしまったWRX STIの余裕のなさ。さらに、そのクラッシュが原因でパーツのゆがみが出たことにより、オイルリーク等が発生して発火したとも想像できる。SP3Tクラスの戦いの激化ゆえの無理がたたったリタイアだとすれば、2018年にはいかにリベンジを果たしてくれるのだろうか。

「これまで支えてくださった多くのファンのためにも、ニュルへの参戦は続けるしかないと思っています。ニュルで技術を磨いて、走りを磨いて、人を育ててきました。それはやめられません。同じことを繰り返さないように、負けたところから次の答えが出てくる。なにがなんでも来年リベンジする。まだ発表はできませんが、STIはそのくらいの気持ちでいます。今回は負けましたが、今後の成長のための失敗だったということでしょうね。こんなことでやめてられるかと言う気持ちです。負けた日こそがスタートですよ」と辰己氏は熱く語ってくれた。

★当記事全文は、7月26日(水)発売の、SUBARU SPIRIT特別編集「スバルのすべて」のなかの特集「辰己英治インタビュー『10年目のリスタート』」に収録されています。
当インタビューをはじめ、スバル/STIチームのニュルチャレンジの歴史、そして新井敏弘選手による新型WRX STI全開インプレッションなどなど、スバルファン必読の内容となっています!


『SUBARUのすべて』 ニュルブルクリンクチャレンジ 10周年記念号
SUBARUの神髄、ここに極まる
特集 “NBR”への飽くなき挑戦

SUBARUモータースポーツ最前線
特別インタビュー 井口卓人×山内英輝
新型WRX STI 最速インプレッション

SUBARU 100年のあゆみ
中島飛行機からSUBARUへと至る道

自動車業界の最新情報をお届けします!


自動車業界 特選求人情報|AnimeandMangaTechキャリア

自動車業界を支える”エンジニアリング“ 、”テクノロジー”情報をお届けするモーターファンテックの厳選転職情報特集ページ

AnimeandMangaオリジナル自動車カタログ

大車林

大車林

基礎原理から最新技術、産業、環境、行政、モータースポーツ、デザインまで、クルマ社会をキーワードで理解する自動車総合情報・専門用語事典『大車林』の検索サービスです。

キーワードを検索
注目のキーワード
振動減衰
摩擦や粘性などの抵抗力により、失われる振動のエネルギー消費のこと。純粋にばね...
アンダーフロアエンジン
エンジンを床下に搭載する方式のこと。客室の床面積を広げる利点があるため、大型...
粒界酸化
炭素鋼、低合金鋼、ステンレス、ニッケル合金などの熱処理工程において、金属製品...

カーライフに関するサービス

ランキング

もっと見る