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  • 2017/07/03
  • モト・チャンプ編集部

圧倒的性能!ホンダ新型2気筒、CBR250RRの舞台裏に迫る!!

前例なきプロジェクトに挑んだ、ホンダ開発者、熱情の日々。

PHOTO:藤井元輔
250ccスポーツバイクジャンルでは、単気筒のCBR250Rメインのラインナップだったホンダ。その状況を覆すため、「圧倒的性能を持つ2気筒”RR”」を作ろうと声を挙げたのは、インドネシアのアストラホンダだった。そんな誕生秘話を紐解く。

PLANT PHOTOS:PT Astra Honda Motor
REPORT:加藤 裕(RACERSプロデューサー)

誕生のきっかけを作った、ある重要人物の存在

アストラホンダ 社長 井沼俊之さん:本社二輪事業本部二輪営業部長を経て、2013年から社長に就任。現地をこよなく愛する姿勢からインドネシアのメディア関係者からも慕われている。

話は去年の12月にさかのぼる。タイはブリラムという地方都市にあるサーキットで行われたアジアロードレース最終戦でのことだ。パドックを歩いていた筆者に顔馴染みのヤマハの人がこう声を掛けてきた。

「ホンダの新しいバイク、見た?」

何のことかさっぱり分からず「ん!?」という顔をしていると、その人は「そっか。まだ搬入されてないんだな」と独り合点している。恥を忍んで何のことかを聞くと、新型CBR250RRのレース仕様車が日本から空輸され、決勝明けの月曜日から居残ってテスト走行する予定だという。

新型CBRといえば日本では去年の鈴鹿8耐でお披露目されて以来見ていない。それが何やら秘密めいて運ばれてくるとなれば、雑誌屋根性がムクムクと芽生えてくるではないか!

果たしてレースそっちのけでホンダのピット裏に陣取ること数時間。アストラホンダ(インドネシアのホンダ現地法人)のチームシャツを来た日本人が数人、徐々に怪しい動きをしだす。いや、よっぽどこっちのほうが不審者極まりないソワソワ状態だったのだが、とにかくバイク用のコンテナボックスがピット内に運び込まれたのである。

時刻は決勝レースが行われているその日の夕方だ。レースを終えた車両がピットから搬出されるならまだしも、搬入となれば、これはもうヤマハの人が言っていた「新型CBR」以外ないと確信したのである。

雑誌屋の端くれである筆者は図々しいのが性分で、搬入のどさくさに紛れてまんまとピット内に侵入成功。で、コンテナボックスから出てきたのが、まさしく新型CBRのレース仕様車だった。

「おー、なんだかカッコいい!」と、思わず口をついて出てしまった。そこに、「でしょ。カッコいいですよね」と答えてくれたのが、アストラホンダのチームシャツを着た河合健児さんという人。聞けば河合さん、埼玉・朝霞にあるホンダの研究所の人で、新型CBRの開発総責任者だというではないか。

であれば、「詳しいクルマの生い立ちを聞かせてください」とその場で突っ込んだ取材をしようと思ったら、河合さん曰く、「技術の話ならまだしも、ここに至るまでのストーリーや背景を取材したいなら、アストラホンダの井沼社長に話を聞くべきです。あの人がいなければ、このクルマは世に出ていなかった」と言う。

慌てた筆者は手にしていた取材ノートに「アストラホンダ社長、井沼さん」とだけメモして、タイを後にした。

CBR250RRはインドネシアに不可欠と、社長自らが開発を指揮した

CBR250R:単気筒特有の鼓動感に定評のあるCBR250Rだが、ライバルの2気筒勢に販売面で苦戦していた。

すでにご存知の読者諸兄も多いと思うが、新型CBR250RRはインドネシアにあるホンダの現地法人(アストラホンダ)で企画・製造されているクルマだ(※注1)。その、いわば言い出しっぺが社長の井沼俊之さんという人。「ぜひ、井沼さんに会って話を聞きたい」という要望がとおり、我々はインドネシアに飛んだ。

着いたところは首都ジャカルタからクルマで2時間ほど東に走った「カラワン」という工業地帯。そこに視界に入り切らないほど広大なホンダの二輪生産工場があった。その玄関先で井沼さんは「ようこそお越しくださいました」と、優しく出迎えてくれた。

まず聞きたかったのは、なぜ現法の社長さん自らが車両開発に加わったのか、その経緯だ。普通の社長はそこまでしない。ちなみに前モデルであるCBR250Rはタイでの生産だった。井沼さんは「話は少々長くなるのですが……」と前置きしたのち、こう語ってくれた。※以下、敬称略。

※注1:現状ではインドネシアと日本で販売されているCBR250RR。デザインや設計に両国の意見を取り入れつつ、開発のメインはホンダ朝霞研究所で行われた。国内仕様に使われるパーツの大部分はインドネシアで製造し日本に供給され、塗装やエンジン・車体の組み上げは熊本工場で行われている。

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